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中小企業の借入限度額の目安について考える。大久保直之「銀行取引と借入戦略CD」。

P1050191  中小企業の銀行取引のコンサルタントとして以前から興味深い情報発信をされている元銀行員の大久保直之行政書士の新作「銀行取引と借入戦略CD」を聞きながら、中小企業の借入限度額の目安について考えてみました。

 中小企業社長のお客様から、適正な借入額とか望ましい借入限度額というのはありますかと聞かれることがあります。このCDでも、業種・規模・返済能力も含めて考える必要はあるとしつつも、「保証協会も短期の運転資金は月商の3ヶ月分までとしているところも多いので、年商の1/3ぐらいでとどまっている会社なら困ることがあっても大した問題にはならないのではないか」という大久保行政書士の感覚が述べられています。

 上記の質問に対しては、私はいつも、年間の借入金の返済額(A)<税引後の当期純利益(B)+減価償却費(C)という、弁済原資を重視した目安をお答えしています。(B)+(C)は、簡便的な意味でのキャッシュ・フローと言われるものです。

 適正な借入額についてはいろいろな考え方があるようですが、原点に立ち返りシンプルに考えると、年間の借入金の返済額(A)が税引後の当期純利益(B)と減価償却費(C)の合計値を下回るようにしないと理屈上は借入金が返せないという原理原則が大切だと思うのです。

 (A)>(B)+(C)の会社も世の中にはたくさんあるわけですが、なぜ資金繰りが持つかというと、(A)>(B)+(C)+新たな銀行借入額となっていたり、(A)>(B)+(C)+役員借入額になっているからではないでしょうか。

 このCDでも、平成17年施行の改正民法による包括根保証の禁止を受けて、代表者は限定根保証で、第三者の保証は求めない最近の銀行取引の変化について紹介されています。しかし、中小企業の借入に関しては限定とはいえ社長の連帯保証が原則として必要である状況はあまり変わっておらず、借入をしている中小企業のオーナー社長は「実質的無限責任」で事業をしていると言わざるを得ません。

 弁済原資が(B)+(C)であるということは、実効税率約40%である我が国の法人税等を支払った残りの税引後の当期純利益を原資に返済するということですから、いかに借入金の返済が大変なことかおわかりになるかと思われます。

 ファイナンス理論では、借入等の負債によるレバレッジ効果の利用は効果的と説明されることが多いですが、特にこれから開業される方は、返済の難しさを十分に考慮の上、借入の利用の検討をなされてはいかがでしょうか。

 

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