アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽再発・再編集等ベスト。サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「PERFECT! MENU 」

Perfect-menu  ■サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「PERFECT! MENU 」(2024年)
 私もささやかながらクラウド・ファンディングによる寄付をさせていただいた「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」(2024年)の公開に合わせて企画されたオリジナル・アルバム4作品とライブ・アルバム2作品等が納められた決定版的ボックス・セット。

 加藤和彦に中学時代から大学時代にかけて憧れた私の一番の目当ては、「サディスティック・ミカ・バンド ライヴ・イン・ロンドン」(1976年)のアビイ・ロード・スタジオのマイルス・ショーウェル(Miles Showell)による2024年リマスター音源。
 今、聴くと、フェンダー・ローズが気持ちよく、クラビネットのリズムもタイト、実はサウンドの要は今井裕だったのだと再認識。

 なぜか加藤和彦の生前は再結成にも呼ばれず冷遇と感じざるを得ない扱いでしたが(髙橋ユキヒロも再結成時に今井裕を呼んでも良かった言っていたはず)、映画でもインタビューが収録されるなど、その復権はうれしい限りです。

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アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽再発・再編集等ベスト。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)「The Asylum Albums (1976-1980)」

The-asylum-albums-19761980  ■ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)「The Asylum Albums (1976-1980)」(2024年)

 私が思うジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の全盛期、ジャズ・フュージョンと交錯した1976年から1980年のアルバム4枚のボックス・セット。

 私の最大の目当は、やはり、40年以上聴き続けている人生における名盤3枚に入れてもいいぐらいの名ライブ盤、「シャドウズ・アンド・ライト(Shadows and Light)」(1980年)のバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)による2024年リマスター。

 2024年は、同時期の秘蔵音源集「アーカイヴス Vol. 4 : アサイラム・イヤーズ (1976-1980)(JONI MITCHELL ARCHIVES, VOL. 4: THE ASYLUM YEARS (1976-1980)」(2024年)も発売され、そちらは、本作が収録された1979年9月のカリフォルニアのサンタ・バーバラ・ボウル公園の直前の、1979年8月のニューヨークのフォレスト・ヒルズ・テニス・スタジアム公演の音源、しかも本作では映像作品には収録されたもののカットされた「ジャコ・パストリアス・ソロ (Jaco's Solo)」と「陽気な泥棒(Raised on Robbery)」 の2曲も収録されていますが、残念ながら本作よりも音が悪く、本作を選出。

 「ジャコ・パストリアス・ソロ (Jaco's Solo)」と「陽気な泥棒(Raised on Robbery)」の音源を収録した、「シャドウズ・アンド・ライト(Shadows and Light)」デラックス・エディションの発売を期待いたします。

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アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第3位:高野寛(Hiroshi Takano)「Modern Vintage Future」

Modern-vintage-future  ■第3位:高野寛(Hiroshi Takano)「Modern Vintage Future」(2024年)

 「YMOへのオマージュ」という触れ込みですが、まるで、「ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)「ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト(HIT ME HARD AND SOFT)」(2024年)を聴いたとの同じ感想、すべての音色、ビートが気持ちよく、その完成度に脱帽。
 それほどの傑作であり、音のマエストロ、冨田ラボこと冨田恵一も楽しんだと賛辞を贈っています。

 AOKI Takamasa のミックス、砂原良徳のマスタリングも素晴らしい。
 同世代として、これからも応援させていただきます。

 

 

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アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第2位:竹内まりや(Mariya Takeuchi)「Precious Days」

Precious-days  ■第2位:竹内まりや(Mariya Takeuchi)「Precious Days」(2024年)
 「シンガーソング専業主婦」、竹内まりや(Mariya Takeuchi)の10年ぶりのアルバム。
 山下達郎(Tatsuro Yamashita)「SOFTLY(ソフトリー)」(2022年)と同じく、橋本茂昭のグローバル基準のミキシングが素晴らしい。

 竹内まりや(Mariya Takeuchi)は、デビュー時の加藤和彦との司会のTV「アップルハウス」の頃から見聴きしてきましたが、昔はそのエッジの乏しさからそれほど興味がわかなかったところ、ここ数年はそこが逆に気持ちよくなってきました。

 封入特典で、2025年ツアーも当たり、楽しみにしています。

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アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第1位:椎名林檎(Ringo Sheena)「放生会(Carnival )」

Photo_20250103224001  ■第1位:椎名林檎(Ringo Sheena)「放生会(Carnival )」(2024年)
 発売2日前の告知、女性歌手とのデュエット曲を中心とした内容、本人曰く「ハチャメチャ」という曲順の椎名林檎(Ringo Sheena)の新譜 は、ここ数年、すっかり「推し」とさせてもらっている私でも、相変わらずの林檎「クオリティー」は申し分ないものの、何これと戸惑う問題作。
 しかし、アリーナツアー、紅白歌合戦を経て、本作のすごさを日を追うごとに実感中。

 特に、アリーナツアーでの「人間として」、紅白歌合戦での「ほぼ水の泡」はすごかった。

 「Carnival」という英語タイトル、ツアー・タイトルの「景気の回復」のように全体としては祝祭感が強いのですが、人生、甘いのは一瞬で、ほとんどが塩辛く、計算通りにいかない浮き世のリアリティを求めたかったと本人が語るように、単純ではないビターな味わいがたまりません。

 なかなか説明しずらいのですが、評価の難しい本作を、ミュージック・マガジンや朝日新聞で年間ベスト・アルバムに挙げていた音楽評論家今井智子氏が、リアル・サウンドでの「景気の回復」でのレポートで述べていた、「我々人間は、どこに向かっているのだろう。」というのが私の感想を代弁してくれていると思います。

 

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アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽ベスト3。第3位:ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)「ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト(HIT ME HARD AND SOFT)」

Photo_20250103215301 ■第3位:ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)「ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト(HIT ME HARD AND SOFT)」(2024年)

 私もすっかりストリーミングで音楽を聴くのが日常になってしまい、アルバムごと聴く機会がめっきり減ってしまいましたが、アルバムで聴きたくなる稀有な作品。

 すべての音色、ビートが気持ちよく、その完成度に脱帽。

 ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)ってまだ23歳とのことで、本当に恐ろしい才能です。

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アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽ベスト3。第2位:カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)「nothing」

Fearless-movement
■第2位:カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)「Fearless Movement」(2024年)

 カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)の新作は、本人が「ダンス・アルバム」と説明しているように、今までの神秘的要素は薄れ、ファンキー・ジャズとしてすごく聴きやすい。

 また、まるでルイス・コール(Louis Cole) のようなボコボコしたドラム・サウンドが、なぜか気持ち良く病みつきに。

 妹のアマニ・ワシントン(Amani Washington)によるジャケットの絵画も素晴らしく、カマシ自身のビジュアル・センスも相当に高いと思います。

 

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アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽ベスト3。第1位:ルイス・コール(Louis Cole)「nothing」

Nothing ■第1位:ルイス・コール(Louis Cole)「nothing」(2024年)

 自身のユニットであるノウワー(KNOWER) を含めて、絶対に期待を裏切らないルイス・コール(Louis Cole)の新作は、嬉しいことにオーケストラとの共演。

 TikTok囃子のような音の積み方が軽視されていると感じざるを得ない音楽があふれる中、異彩を放つルイス・コール(Louis Cole)のハーモニーの美しさが存分に楽しめるとともに、高速ボコボコ・ドラムに呼応するオランダのメトロポール・オーケストラ(Metropole Orchestra)のリズム・オリエンティッドなオーケストラ・サウンドには新しさを感じます。
 川谷絵音や松重豊といったマニアックなリスナーと同様に、熱狂させていただきました。

 メ トロポール・オーケストラ(Metropole Orchestra) は、山下洋輔が見い出し坂本龍一も応援し、私も毎週NHKFMを愛聴している挾間美帆(Miho Hazama)が2020年から客演常任指揮者を務めていますが、本作には関与していないようなのは残念。

 

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元旦の日本経済新聞の今年の一面。「逆転の世界、備えよ日本 強まる自国第一 貿易ルール瓦解」

 元旦の日本経済新聞の今年の一面は、「逆転の世界、備えよ日本 強まる自国第一 貿易ルール瓦解」。

 戦争は各地に飛び火し、ポピュリズムが台頭、自由貿易は形骸化し、世界を豊かにしてきたはずのグローバリゼーションが逆回転しているとの警鐘。

 予測不能の時代が始まっており、瞬時の判断力と修正力が求められ、まずは常識を捨て去り、逆転の世界を直視することから始めなくてはならないとの提案。

 国際関係に限らず、普段、仕事や暮らしで体感していることでもあり、常識を捨て去った上での逆転の世界の直視、実行して行きたいと思います。

 

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アカウンティング&ミュージック 2023年邦楽ベスト3。第3位:大貫妙子(Taeko Onuki)「Taeko Onuki Concert 2022(タエコ・オオヌキ・コンサート 2022)」

Taeko-onuki-concert-2022 ■第3位:大貫妙子(Taeko Onuki)「Taeko Onuki Concert 2022(タエコ・オオヌキ・コンサート 2022)」

 萩原健太のFMで聴いて、あまりの素晴らしさに選出。

 小倉博和(Guitar)、鈴木正人(Bass)、沼澤尚(Drums)、林立夫(Drums)、フェビアン・レザ・パネ(Piano)、森俊之(Keyboard)、網守将平(Keyboard)のメンバーによる演奏に加え、坂本龍一がそのデータ制作に加わったらしいオリジナル・マルチデータをシーケンサーで連動させたらしい楽器音が実に美しい。

 特に「ピーターラビットとわたし」のいかにも坂本龍一のプロフェット5の音色が泣けます。

 
大貫妙子の歌も、演奏に負けずに実に安定しており、びっくりしました。

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